NPO法人に関する疑問

Q1収益事業があるNPO法人の決算書の様式と、法人税確定申告書の書き方を教えてください。
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文章で説明するのは無理がありますので、次のボタンでご確認ください。

収益事業がある場合のNPO法人の決算書の様式と、その決算書の数値を基に法人税、法人県民税、法人市民税の申告書を作成してみました。
決算書はエクセルで作成してありますので、よろしければ加工してご利用ください。
なお、法人税の申告書はPDFで作成してあります。
決算書については報告式ではなく、一般会計、特別会計、合計というように一覧表の形式としました。この形式を全ての財務諸表で採用しています。

※「経理区分振替額」について
当事務所では「経理区分振替額」という費用科目を使用し、一般会計と特別会計で共通して使用することとしました。これは各月での仕訳入力後には、一般会計と特別会計の「経理区分振替額」は同じ額が貸借反対に表示されることにより、仕訳ミス、入力ミスが一目で分かることと、一般会計と特別会計との合計額ではゼロと表示されることにより、内部取引として認識しやすく、便利であると考えました。

(特別勘定が複数ある場合の提案)
特別会計が複数(仮に”特別会計A”、”特別会計B”がるとします)ある場合には、一般会計と特別会計Aとの振替用に「経理区分振替額A」を用意し、一般会計と特別会計Bとの振替用に「経理区分振替額B」をそれぞれ用意すると各特別勘定ごとに金額が一致しているか検証ができるので便利だと思います。
仮に、特別会計Aから特別会計Bへ振替が必要となった場合、当事務所では、一旦、特別勘定Aから「経理区分振替額A」を使って一般会計に振替えた後、一般会計から特別会計Bへ「経理区分振替額B」を使って振替えるようにしています。
また、「経理区分振替額AB」などの勘定科目を用意して、特別会計Aと特別会計Bとの間で直接振替えるやり方も考えられますが、当事務所では”一旦、一般会計を通す”というルールを決めております。
もちろん、特別会計A、B間の取引が頻繁にあるようであれば、事務量が増えますので、「経理区分振替額AB」を使うことも検討します。

※下記「財務諸表」と「法人税等申告書」で確認して頂きたいポイント
当事務所では、一般会計、特別会計それぞれ貸借対照表を作成しています。第四表の「当期利益又は当期欠損の額」と別表五(一)の「繰越損益金」には活動計算書の当期正味財産増減額を記入していますので、「経理区分振替額」を差引した後の額が記入されています。したがいまして、その額を「加算」又は「減算」に記入して、「経理区分振替額」(内部取引額)の差引前の金額を課税対象にします。

今回の例では収益事業(特別会計)から非収益事業(一般会計)への資金の移動(費用としての内部取引)となっているため、別表四で加算していますが、非収益事業から収益事業への資金の移動(税務上は元入金としての資本取引)の場合には、別表四で減算することになります。

いずれにしても税務上は、社内取引や資本取引には課税しないという考えから、税務上収益や費用として認識しないということになります。

当事務所では(留保)とし、別表五(一)に「一般会計との経理区分振替額」として同額を記入しています。そのことにより、この額と「繰越損益金」との差額が課税対象の累計額として、翌期以降の申告に繰越されてゆきます。

NPO法人の場合には課税済み金額の累計額は課税上意味がなく、解説書でも、流出、留保を明確に解説したものはありません。当事務所のように収益事業部分の貸借対照表を作成しているのであれば(留保)とした方が課税額の累計額を見る上で、このようにした方がよいのではないかと思いますが、そうでない場合(収益部分の貸借対照表を作成していない場合や収支計算書から損益を抽出する方法)には(その他流出)としないと、別表四と別表五(一)の検算が合わないことになります。

もっとも、収益事業分の貸借対照表を作成している場合であっても、(その他流出)とすれば、別表五(一)に記入することはなく、別表四と別表五(一)の検算も合いますし、課税所得に影響がないので、(留保)とすることにこだわりがなければ、(その他流出)で良いと考えます。

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(2011/05/24)
(「特別勘定が複数ある場合の提案」について追記 2012/04/14)

2011年11月20日にNPO法人会計基準が改正され、公表されています。
主な改正は
・リース取引の会計基準の変更
・「収支計算書を活動計算書と呼んでいます」の注記や表示が削除されたこと
・Q&AでQ20-2が改正、Q50-1が追加されたこと
です他にも変更されているところがありますので、ホームページ等で確認してください。

なお、当事務所でも様式の変更をして対応する予定ですが。
上に掲載しているエクセルやPDFは変更していませんので、承知のうえでご利用ください。

(2012/05/16)